フライホイールモデルとは？近年注目されるビジネスモデルとマーケティングにおける活用事例

現代のマーケティングの場面では、当然視されていたファネル型モデルに代わり、“フライホイールモデル”が大きな注目を集めています。

このモデルは、顧客を中心に据え、持続的なビジネス成長を実現するための新しいフレームワークです。

本記事では、フライホイールモデルの基本概念とその実践方法、および具体的な実践例を解説します。これを参考に、自社のマーケティング戦略を見直す機会にしてみてください。

フライホイールモデルとは？

画像引用：HubSpot

フライホイールモデルとは、Hubspot社が提唱した顧客を中心に据えた循環型の成長戦略を指します。このモデルは、大きな回転体「フライホイール」がすこしずつ加速していく構造をビジネスに置き換えた考え方となっており、回転速度を顧客との信頼構築、摩擦の大きさを顧客の不安・不信に置き換え、回転速度を速め摩擦を少なくすることでフライホイールのサイズが大きくなることをビジネスの成長に置き換えています。

フライホイールモデルが注目を集めるに致った要因には、顧客中心主義の取り組みが強まっていることが挙げられます。カスタマージャーニーにおいて、ユーザーが情報を自分で検索し、解決策を決定する時代にでは、企業は「新規顧客の獲得」だけではなく、「既存顧客の満足度向上」にも重点を置く必要があります。

従来主流とされていたファネル型モデルは、ユーザーを「入口」から「出口」に向けて押し流す線形的なプロセスを重視していました。これに対して、フライホイールモデルは循環型のアプローチを採用し、顧客の満足が高まるとその影響でもっと大きな成長を見込むことが可能となります。

フライホイールモデルでは顧客体験の中で価値を生み出すことが重要

フライホイールモデルの中心にあるのは、顧客体験の向上です。これは単に顧客の期待に応えるだけではなく、期待を上回る体験を提供することによって、顧客が企業の最大の支持者になることを目指します。

例えば、質の高いサポートや個別対応を通じて、顧客が商品やサービスに対する信頼を深めることが可能です。また、購入後のフォローアップや追加価値の提供も、顧客満足度の向上に寄与するでしょう。

フライホイールモデルにおけるマーケティングの実践例

では、マーケティングの中にフライホイールモデルを取り入れるにはどうしたらよいのでしょうか？具体的な施策をもとに解説します。

オンラインコミュニティを運営する

フライホイールモデルの実践において、顧客間のコミュニティを形成し、活性化させることは非常に効果的です。とくにコロナ禍以降ではオンライン上でのコミュニティが活発になりやすい傾向にあります。

顧客間の交流を軸としたコミュニティを企業側がマネジメントすることが理想的な形ではありますが、最初から大規模なコミュニティを作るのは、運営面・集客面共に課題が多くあります。いきなりの立ち上げが難しい場合は、SNSでの交流やウェビナー・勉強会などの開催から始めるのも有効でしょう。

オンライン上で完結する購買プロセスを創り出す

デジタル時代においては、オンラインでのシームレスな購買体験が求められます。ユーザーが商品を探し、比較し、購入し、その後サポートを受けるまでのプロセスを、すべてオンラインで完結できるようにすることが理想です。

具体的には、オンライン上でユーザーの求める情報をすべて得られる体制を作り出したり、購入プロセスを簡略化する仕組みを導入したりすることが考えられます。また、チャットボットを活用して、24時間対応のカスタマーサポートを提供することも効果的です。

購入後のアフターサポートでも接点を設ける

顧客体験を向上させるためには、購入後のサポートも重要な役割を果たします。製品の使い方を説明するウェビナーや、FAQセクションの充実化、個別対応のカスタマーサポートなどを通じて、顧客満足度を高めることができます。

また、顧客からのフィードバックを積極的に収集し、それをもとに製品やサービスを改善することも、顧客との信頼関係を強化する一助となります。

まとめ：これからのマーケティングは継続的な関係構築が重要

フライホイールモデルは、顧客との継続的な関係構築を重視する新しいアプローチとして、多くの企業で採用されています。このモデルを活用することで、単発的な成果ではなく、持続的なビジネス成長を実現することが可能です。

これからのマーケティングでは、顧客体験の向上やコミュニティ形成、購入後のサポートに重点を置いた取り組みが求められるでしょう。本記事の内容を参考に、ぜひ自社の戦略にフライホイールモデルを取り入れてみてください。