インタラクティブ動画とは？活用事例や作り方、メリットなどを紹介

インタラクティブ動画とは、視聴者が動画の進行や内容に対してアクションを取ることで、視聴体験をカスタマイズできる動画のことです。視聴者の興味を引きやすい点やその後のアクションにつなげやすい点から近年注目を集めており、どのようなサービスか気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事ではインタラクティブ動画とは何かについて詳しく解説します。インタラクティブ動画の活用事例や作り方などについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インタラクティブ動画とは

インタラクティブ動画とは、視聴者が動画の進行や内容に対して、クリックやタップで選択をおこなうことによって、その後の動画の内容が変化する動画です。視聴者のニーズやモチベーションを即座に反映できるので、複数の情報を視聴者の属性にあわせて見せたい場合や、視聴者に次のアクションを促したい場合などに活用が見込まれます。

インタラクティブ動画のわかりやすい例としては、YouTubeでの動画視聴終了時に表示される関連動画への案内があげられます。視聴者に別の動画をレコメンドすることで再生を促すことができますし、万が一再生されなかった場合でも、次回レコメンドする動画を選定する際の参考データを得ることが可能です。

インタラクティブ動画と聞くと、まだ聞き馴染みがなく、未知の技術のように感じられますが、気づけば身近な場面で活用されているケースも多々あります。以下では企業や自治体による活用事例をさらに紹介します。

インタラクティブ動画の活用事例

インタラクティブ動画は視聴者の興味関心を可視化できるため、さまざまな場面で活用が進んでいます。以下では、採用活動・観光地のPR・ECサイトでの商品紹介と、それぞれ異なる場面での活用事例を紹介します。

オフィス紹介に導入し、ユーザーのニーズに任せた回遊を促した事例

まず紹介するのは、明治安田生命保険相互会社の採用動画として活用された事例です。

この動画が公開された2020年は、世界的な感染症の流行により、就活生によるオフィス見学が難しい状況でした。そのような背景の中、オフィスを実際に訪れることができない方に対して社内の雰囲気を掴んでもらうためにインタラクティブ動画が採用されています。

明治安田生命保険相互会社の活用事例におけるポイントは、就活生の多様なニーズに応えることができている点です。明治安田生命保険相互会社では複数のオフィスがあるほか、3職種8つのコースがあり、就活生によって得たい情報はさまざまです。しかし、インタラクティブ動画を通じて自身の気になるコースを選択しながら見進めていくことによって、高い視聴維持率を記録しています。

画像引用：YouTube「明治安田生命保険相互会社様_採用動画(LOCUS制作実績)」

観光地のPR動画に導入し、興味を持ったユーザーに詳細な情報を提供した事例

次に新潟県湯沢町のPRサイト「越後湯沢観光ナビ」の観光案内動画として採用された事例を紹介します。

越後湯沢は、冬はスキー、夏は自然散策など、さまざまな観光資源に富んだエリアです。しかし、このような観光資源を動画を用いて紹介した場合、雄大な自然や綺麗な風景は伝えることができますが、施設やエリアの名称は流れてしまい、実際の利用につながらないといった課題が推測できます。

そこでインタラクティブ動画を導入することによって、施設やエリアに興味を持った際にアクションを起こすことで、テキストによる詳細な説明やサービスページへの遷移案内など、実際の利用に繋がる紹介へと繋げています。

画像引用：越後湯沢観光ナビ「Four Season 動画で見る越後湯沢の四季」

​ファッションのイメージムービーに導入し、ECサイトへの誘導を促した事例

最後に紹介するのは、ファッションブランド・セレクトショップとしてECサイトを運営する「ナノ・ユニバース」の事例です。

ナノ・ユニバースでは、ファッションにおけるルールや固定概念に捉われず、その人の持つ個性をを引き出すスタイル提案である「feel in bones」のコンセプトムービーとして、直感的に触れる動画であるインタラクティブ動画を採用しています。

ブランドイメージの体現という観点はもちろんのこと、遷移先を自社のECサイトに設定することによって、ユーザーの購買行動にも繋げる取り組みとなっています。

画像引用：YouTube「feel in bones 「触れる」動画」

インタラクティブ動画の作り方

ではこのようなインタラクティブ動画はどのように作られるのでしょうか？以下ではインタラクティブ動画の作り方を6つのステップに分けて紹介します。

Step1:目的とターゲットを明確にする

まず、インタラクティブ動画を作成する目的とターゲットを明確に設定します。例えば、商品紹介、ブランド認知向上、教育用コンテンツなど、動画の目的に応じてターゲットも異なります。

Step2:シナリオを作成する

次に、動画のシナリオを作成します。インタラクティブ動画では、視聴者が選択することで進行が変わるため、複数のシナリオパターンを考える必要があります。

Step3:素材を準備する

シナリオに基づいて、必要な映像や画像、音声などの素材を準備します。ここでは、視聴者がアクションを起こしやすいように、わかりやすいインターフェースデザインも重要です。

Step4:編集する

準備した素材を編集ソフトを使って編集します。この段階でインタラクティブ要素を組み込んでいきます。視聴者がクリックできるボタンやリンクを設置し、それぞれのアクションに応じたシーンを設定します。

​Step5:テストする

 編集が終わったら、実際に視聴者が操作する環境でテストを行います。全てのインタラクティブ要素が正しく機能するか、シナリオ通りに進行するかを確認します。

Step6:配信する

最後に、完成したインタラクティブ動画を適切なプラットフォームで配信します。SNSやウェブサイト、専用アプリなど、ターゲットに合わせた配信方法を選びます。

インタラクティブ動画の仕組み

インタラクティブ動画は、ベース動画とクリッカブルレイヤーの2層に分かれる仕組みとなっています。

ベース動画は一般的な動画です。クリッカブルレイヤーは、視聴者がタップやクリックできるテキストや画像（アイコン、リンクボタン、バナー、イラストなど）を配置する層となっています。ベース動画の上にクリッカブルレイヤーを配置することによって、動画にインタラクティブな要素を追加できるようになります。

インタラクティブ動画のメリット

インタラクティブ動画の利用には以下のようなメリットが存在します。

視聴者のエンゲージメントを向上できる

インタラクティブ動画は視聴者が能動的に参加できるため、エンゲージメントを大幅に向上させることができます。視聴者が自分の興味に合わせて動画を進められるため、関心を引きやすくなります。

視聴時間が向上しやすい

視聴者が動画に対してアクションを取ることで、動画の視聴時間が自然と延びる傾向にあります。これにより、視聴者はより多くの情報を得ることができ、コンテンツの理解度も向上します。

コンバージョンにつながりやすい

インタラクティブ動画は、視聴者の興味に応じて直接的なアクションを促すことができるため、コンバージョン率の向上が期待できます。例えば、商品の購入や問い合わせなど、具体的なアクションを誘導しやすくなります。

視聴者の行動パターンを可視化し、データ化できる

インタラクティブ動画は、視聴者のクリックや選択などの行動をデータとして収集できるため、視聴者の関心や行動パターンを分析することができます。これにより、より効果的なマーケティング戦略を立てることが可能です。

インタラクティブ動画はtoB領域のマーケティングにも有効

インタラクティブ動画は、視聴者のアクションに応じて動画の内容を変化させることで、視聴体験をカスタマイズできる動画のことを指します。

本記事では、toC領域を中心に活用事例を紹介しましたが、インタラクティブ動画を利用した施策はtoB領域でも有効です。

以下の資料では、営業組織がインタラクティブ動画を活用し、リードの質向上や成約数の向上に寄与した例を紹介しています。あわせてご参考ください。